私たちの60年以上にわたる電極技術は、さまざまな分野で培われ、各種装置の処理能力、安全性および安定性の向上に役立てられています。
今後ますます高効率・高耐久性が求められる不溶性電極、私たちはさらなる技術改善・開発により、新たなフィールドへと挑戦し続けていきます。
不溶性金属電極
チタンへ貴金属触媒層をコーティングした金属電極「エクセロードシリーズ」。
海水ラインの海洋生物付着防止用として利用される海水電解装置や、
水道水を使用した次亜塩素水生成装置、めっき用途、表面処理などの分野で利用されています。
当社グループ会社のカーリット産業では、海水電解装置や塩水電解滅菌装置の「ハイポセルシリーズ」の販売もしています。
当社の提供する電極、電解技術はその信頼性と安全性を高く評価され、各分野で広く採用されています。
エクセロード
自社で培った電解に関する知識と技術力をもとにお客様の多様なニーズに応え続ける。
エクセロードシリーズの歴史
1970～
-
当社は、食塩の電気分解にマグネタイト電極を使用してきました。1970年頃、海外の不溶性電極の技術を導入し、自社製造に成功。
以来、自社製の不溶性電極を電解工場で使用しています。
1980～1990
-
自社使用に留まらず、各種用途に合わせた電極を開発。
エクセロードシリーズとして市場に提供し、電極販売も開始しました。
金属回収、貴金属めっき、排水処理、海水電解、塩水電解、イオン水等の用途に合わせて最適な電極をご提供いたします。
焼成電極
エクセロード【R・RNタイプ】
エクセロードR・RNはチタン基体に白金系の被覆層を熱分解（焼成）により形成した電極です。従来の熱分解法により制作した電極は、陰極としての使用は不可能でしたが、エクセロードR・RNは陰極としても使用できるため逆電通電が可能です。水分解等においてスケールの付着を防止し、長期間メンテナンスフリーで連続運転が可能です。
※表の部分は横にスクロールできます。
| 名称 | 被膜材 | 電解領域 | 逆電対応 | 主用途 | 標準膜厚 | 標準電流密度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| R-2000 | 白金 | 塩素発生 酸素発生 |
可能 | 水電解(アルカリイオン水) 希薄塩水電解/各種メッキ |
約0.2μm [0.1～1μm] |
約1A/dm² [～2A/dm²] (水電解)5～15A/dm² (塩水電解) |
| R-2500 | ||||||
| RN-2000 | 白金系複合材 | 塩素発生 | 可能 | 水電解(次亜発生) 希薄塩水電解 |
||
| RN-3000 | 水電解(アルカリイオン水・ 次亜発生) |
エクセロード【B・Fタイプ】
エクセロードB・Fはチタン基体に二酸化イリジウムを主体とした被覆層を熱分解（焼成）により形成した電極です。従来、酸素発生用陽極として用いられておりました鉛合金系の電極に比べ、酸素に対する耐久性が極めて高く、非鉛系の電極ですので鉛による液の汚染が無く、スラッジの発生も無いため製品への悪影響がありません。硫酸塩を含有するような溶液の酸素発生領域で用いられる電極ですので電解採取、電解精錬や大型めっきラインの不溶性陽極として使用される他、貴金属電気めっきなどの陽極としても有用です。
※表の部分は横にスクロールできます。
| 名称 | 被膜材 | 電解領域 | 逆電対応 | 主用途 | 標準膜厚 | 標準電流密度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| B | 二酸化イリジウム | 酸素発生 | 不可 | 各種メッキ/電解採取 金属回収 |
約20g/m² [10～40g/m²] |
約15A/dm² [～50A/dm²] |
| F | イリジウム系 複合材 |
エクセロードFには耐久性に特化した他シリーズもございます。是非ご相談ください。
エクセロード【Cタイプ】
エクセロードCはチタン基体に各成分の長所を効果的に発生させ、短所を十分に補うようブレンドしたルテニウム系複合材の被覆層を熱分解（焼成）により形成した電極です。従来の白金電極に比べ塩素発生電位が極めて低く優れた性能と耐久性を有するため、弊社塩水電解次亜塩素酸ナトリウム生成装置「ハイポセル」に組み込み、多くの実績を得ております。
※表の部分は横にスクロールできます。
| 名称 | 被膜材 | 電解領域 | 逆電対応 | 主用途 | 標準膜厚 | 標準電流密度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| C | ルテニウム系 複合材 |
塩素発生 | 不可 | 高濃度次亜塩素酸ソーダ製造 /クロレート製造 |
約15g/m² [5～30g/m²] |
約15A/dm² [～30A/dm²] |
エクセロード【Sタイプ】
エクセロードSはチタン基体に白金系複合材の被覆層を熱分解（焼成）により形成した電極です。従来、海水電解用陽極として用いられていた白金めっき電極やルテニウム系、パラジウム系の電極に比べ耐久性に優れ低温域での電解効率が高く槽電圧が低いので少ない消費電力で効率よく次亜塩素酸ナトリウムを得ることができます。また、排水処理の電極としても使用可能です。
※表の部分は横にスクロールできます。
| 名称 | 被膜材 | 電解領域 | 逆電対応 | 主用途 | 標準膜厚 | 標準電流密度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| S | 白金系複合材 | 塩素発生 | 不可 | 海水電解/排水処理 | 約15g/m² [5～30g/m²] |
約15A/dm² [～30A/dm²] |
電気めっき電極
エクセロード【BA・EAタイプ】
エクセロードBA・EAはチタン基体に電気めっきにより白金を被覆した電極です。白金電極は電解工業の初期から利用されてきた陽極材で、高い酸化電位を必要とする過塩素酸の製造や電気防食、海水電解、電気めっき、有機電解合成、排水処理等に用いられます。従来の白金めっき電極に比べ特殊中間層を設けることによって密着性を向上させ、耐久性を上げております。
※表の部分は横にスクロールできます。
| 名称 | 被膜材 | 電解領域 | 逆電対応 | 主用途 | 標準膜厚 | 標準電流密度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| BA | 白金 | 塩素発生 酸素発生 |
可能 | 海水電解/イオン水製造 各種メッキ |
約2μm [1～7μm] |
約15A/dm² [～30A/dm²] |
| EA |
エクセロード【LDタイプ】
エクセロードLDは二酸化鉛の被覆層を電着により形成した電極です。従来、酸素発生用陽極として鉛合金系の電極が多く使われてきましたが、鉛の溶出量が多くスラッジの原因となってきました。しかしこの電極は溶出量が少ないためスラッジの発生はほとんどありません。エクセロードLDは酸素過電圧が高いため、クロムめっき用電極の他、COD除去を目的とした排水処理装置やオゾン発生装置用の陽極として抜群の耐久性を有しております。
※表の部分は横にスクロールできます。
| 名称 | 被膜材 | 電解領域 | 逆電対応 | 主用途 | 標準膜厚 | 標準電流密度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| LD | 二酸化鉛 | 酸素発生 | 不可 | 6価クロムメッキ/排水処理 /オゾン発生/有機電解 |
約18,000g/m² [約1mm] |
約15A/dm² [～30A/dm²] |
応用分野
焼成電極／電気めっき電極
※表の部分は横にスクロールできます。
| 名称 | イオン水用 | 殺菌用 | 塩水電解用 | 海水電解用 | 水電解（反転無） | メッキ | 電解洗浄 | 金属回収・精錬 | 排水処理用 | オゾン発生用 | 陰極用 | 給電用 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| アルカリイオン水 | 酸性水 | 飲料水用 | 電解次亜水 | メッキ一般 | 銅箔製造 | 三価クロム | 六価クロム | ||||||||||
| BA | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ||||
| EA | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ||||
| R-2000 | ○ | ◎ | ◎ | ||||||||||||||
| R-2500 | ◎ | ○ | ○ | ||||||||||||||
| RN-2000 | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | |||||||||||
| RN-3000 | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | |||||||||||
| B | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
| F | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | |||||||||||
| C | ◎ | ○ | |||||||||||||||
| S | ○ | ◎ | ◎ | ||||||||||||||
| LD | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ||||||||||||
電解装置（ハイポセル）・
二酸化塩素製造設備
弊社グループ会社であるカーリット産業株式会社にて、電解装置関係では、浄水場や食品分野における飲料水の滅菌システム、海洋生物の付着防止システム。二酸化塩素による漂白のため紙パルプ生産事業への製造設備の設計から納入を行います。
カーリット産業株式会社プラント関連事業はこちら