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カーリットグループは持続可能な社会に貢献する企業グループとして、一丸となって挑戦を続けてまいります。

株主の皆さまには平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。当社グループの2023年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)が終了いたしましたので、決算の概要および今後の事業展開につきましてご報告申し上げます。

代表取締役兼社長執行役員

金子洋文

2024年3月期の業績について

2024年3月期の業績としては、売上高365億7千7百万円、営業利益33億5千2百万円、経常利益36億円、親会社株主に帰属する当期純利益25億9千8百万円という結果になりました。2023年度はいまだ世界的な半導体需要低迷の影響が続いており、電子材料分野およびシリコンウェーハ分野は顧客の在庫調整・生産調整によって減収減益となりました。一方、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和により社会経済の正常化が進みつつあることからその他の事業分野についてはいずれも堅調に推移し、2023年度の連結の営業利益、経常利益、純利益は過去最高となりました。また中期経営計画「Challenge2024」および「ローリングプラン2023」の取り組みの実行により業務改善や原価低減等が進んだことが奏功し、売上高営業利益率は2022年度比+1.9 %となりました。

連結業績ハイライト(単位:百万円)

  • 売上高

    36,577

    (前年同期比1.6%増)

  • 営業利益

    3,352

    (前年同期比27.0%増)

  • 経常利益

    3,600

    (前年同期比23.7%増)

  • 親会社株主に帰属する
    当期純利益

    2,598

    (前年同期比15.7%増)

2025年3月期の見通しについて

2024年度は、2023年度と同様に化学品事業(化薬分野や化成品分野等)やボトリング事業、エンジニアリングサービス事業は国内経済動向にあわせ堅調に推移すると予想しています。また半導体サイクルの持ち直しにあわせ、低調であった電子材料分野が2024年度前半から回復、同じくシリコンウェーハ分野が2024年度後半から回復しはじめると予想しており、2023年度比増収増益となる見通しです。
また、中期経営計画に掲げる5つの戦略(成長事業の加速化、研究開発の拡充、既存事業の収益性改善、ESG経営の高度化、事業インフラの再構築)を推進することで、業績推進だけでなく資本収益性の向上や市場評価の改善も進めてまいります。

2025年3月期連結業績予想(単位:百万円)

※表の部分は横にスクロールできます。

売上高 営業利益 経常利益 親会社株主に帰属する当期純利益
上期 18,500 1,600 1,700 1,200
通期 38,000 3,800 4,000 2,800

カーリットグループは、
中期経営計画「Challenge2024グローアッププラン2024」を策定し、
市場から評価していただける企業となるべく様々な取り組みを推進してまいります。

今後の取り組みについて

中長期的な経営ビジョン

グループ経営理念である「信頼と限りなき挑戦」のもとで長期展望を見据え、当社の2030年にありたい姿を「持続可能な社会に貢献するために、"化学"と"技術"の力を合わせ、人びとの幸せな暮らしを支えたい」と定めました。また、新たに事業ポートフォリオ経営を導入し、当社事業群を「注力領域」「育成領域」「基盤領域」という3つの領域に分け、それぞれの領域に適した戦略を推進し、「利益ある成長」の達成を目指します。
このありたい姿の実現に向け、当社グループは2022年度を初年度とした中期経営計画「Challenge2024」を策定いたしました。経営方針として「事業ポートフォリオの最適化により企業価値の向上を目指す」を掲げ、その方針に沿った「成長事業の加速化」、「研究開発の拡充」、「既存事業の収益性改善」、「ESG経営の高度化」、「事業インフラの再構築」という5つの戦略を軸に、具体的な施策を実行し、当社グループの社会貢献およびコーポレート・ガバナンスのさらなる充実を進めることで、「利益ある成長」と「ESG」を具現化し、社会に信頼される企業グループを目指してまいります。

中期経営計画「Challenge2024グローアッププラン2024」

中期経営計画「Challenge2024」の最終年度にあたり、経営環境の変化に柔軟に対応し更なる成長を目指すことを目的に、昨年度策定した「Challenge2024ローリングプラン2023」に続く中期経営計画「Challenge2024 グローアッププラン2024」を策定し、資本コストや株価を意識した経営を進めております。 「グローアッププラン2024」では資本収益性と市場評価について下図のとおり分析し、当社のポジションを確認するとともにPBRとROEの目標を定めました。
また、それらを高める具体的な取り組みについても「ローリングプラン2023」からアップデートを行い、「政策保有株式の縮減方針」、「設備投資計画・成長投資の進捗」、「研究開発の推進による成長期待醸成」、「業績連動型の安定配当」の4つの取り組みを取り上げ、進捗や目標値などの詳細を示しております。 今後も、中期経営計画「Challenge2024」を骨子に「ローリングプラン2023」および「グローアッププラン2024」を推進することで、中期経営計画の達成ならびに「2030年のありたい姿」の実現に向け邁進してまいります。

日本カーリット(株)、(株)シリコンテクノロジーとの三社合併について

当社、日本カーリット(株)、(株)シリコンテクノロジーの三社合併ならびに事業持株会社体制への移行は、「事業インフラの再構築」戦略の一環として意思決定の迅速化・管理部門のスリム化・人員のリバランス等を行うことが目的です。また中期経営計画「Challenge2024」に掲げる事業ポートフォリオ経営の推進という点においても、注力・育成領域を基軸として経営を一体化することで、成長戦略の推進と経営の効率化を図るものです。企業経営を取り巻く環境が厳しさを増している今こそ、経営理念「信頼と限りなき挑戦」をもとに、従業員全員の力を集結して積極果敢に挑戦し、信頼のモノづくりとサービスで安心と豊かさを届け、「2030年のありたい姿」の実現を目指すことで企業価値を向上してまいります。株主の皆さまにおかれましては、引き続き変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。